複雑な簡略化

映画『Waking Life』で、イーサン・ホーク演じるジェシーが言っていた台詞。
「科学やアートの重要な規範が世界で同時に発生する。
誰かが何かを考えつくと、世界中で大勢が同時に同じことを考えつく」
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4年程前に宇宙船の内部のような映像を幻視した。
同じような映像は度々出現した。
幻視の映像は通常3〜4秒で記憶からも消去される。
完全に忘れる前にとっさにクロッキーでドローイングを何枚か残したが、
当然ディテールが描ききれない。
その映像を再現する為にはCGが向いているのだが、
今ひとつ制作意欲が湧かずにいた。
(CGオペレーターがいてくれればと思った)

予想通り世界中から似たような映像が発生しだした。
ステンシルを多用しキャンバスに描かれたものや、
グラフィティ・アートや、CGアニメーション…
どれも確信的な映像である。
最近でいえば『アバター』の冒頭あたりの、宇宙船内部の映像…

…まぁ、ホンの一例ではあるが、そのような「世界同時発生」は起こり得る。
人類の太古から受け継ぐ記憶と密接に関連しているのかどうかは分らないが…
(記憶には未来も含まれる)

「先を越された」とか「出し抜かれた」とか、消沈したりはしない。
むしろそれらは消費された方が都合が良い。
通俗化されれば表現領域は拡大できる。
もっとも有難いのはシンボリックに簡略化出来ることだ。
気の遠くなるような作業工程を回避できる。
あるいは何か別のものと融合させることも可能だろう。

…簡略化。
普遍性を生み出すひとつのキーワード。